引用:https://jp.reuters.com/article/world/-idUSKCN1S80CF/
マウラナ・マスード・アズハル——1999年に起きたインディアン航空814便ハイジャック事件の中心人物としてその名が知られるようになった男です。
この記事では
「マウラナ・マスード・アズハル 何者?」
という疑問に応えるべく、彼の経歴、事件との関わり、そして現在の姿までを追っていきます。
マウラナ・マスード・アズハルとは何者か?
マウラナ・マスード・アズハルは、パキスタンを拠点に活動するイスラム過激派組織「ジャイシュ=エ=ムハンマド(Jaish-e-Mohammed)」の創設者兼指導者です。
1968年頃にパキスタンのバハーワルプルで生まれ、若くしてイスラム神学校で学び、やがて過激な思想に傾倒していきました。
1994年、アズハルはインド領カシミールに潜入中、インド当局に逮捕され、以後インド国内の刑務所に収監されることになります。
インディアン航空814便ハイジャック事件との関係
1999年12月24日、ネパールのカトマンズ発・ニューデリー行きの**インディアン航空814便(IC814)**が、5人の武装グループにハイジャックされました。
犯人たちの要求は、インドに収監されていたマウラナ・マスード・アズハルを含む3人のイスラム過激派の釈放でした。
飛行機は最終的にアフガニスタンのカンダハールへと着陸し、乗客・乗員の命を守るため、インド政府は苦渋の決断として3名の釈放を受け入れました。
これによりアズハルは解放され、パキスタンへ帰還。すぐさま大規模な演説を開き、「インド支配からカシミールを解放する」と宣言。
テロ活動への本格的な復帰を果たします。
釈放後の活動と国際的影響
アズハルは釈放直後にジャイシュ=エ=ムハンマド(JeM)を創設し、同組織は以後インド・カシミール地方を中心に数多くのテロ事件に関与。
などが有名で、これらの事件はインドとパキスタンの緊張を激化させました。
彼の活動はインドだけでなく、アメリカ、イギリス、国際連合などの監視対象にもなり、
2019年には国連安全保障理事会が正式に国際テロリストに指定しています。
現在のマウラナ・マスード・アズハル
現在、アズハルはパキスタン国内に潜伏していると見られています。
しかし、パキスタン政府は彼の拘束や捜査について明確な立場を示しておらず、事実上、黙認されている状況とも言えます。
BBCなど一部海外メディアは、アズハルを「イギリスにジハードを持ち込んだ男」と表現。
国際ジハード運動への影響力も極めて強い人物として警戒を強めています。
まとめ|アズハルは現在も“危険な存在”
マウラナ・マスード・アズハルは、かつてインディアン航空814便のハイジャック事件を通じて釈放された人物です。
その後は再びテロ組織のリーダーとして復帰。カシミール問題を中心にインドとの対立を深め、**今なお国際社会が強く警戒する“生きたテロの象徴”**です。
「過去の人物」ではなく、今もなお世界に影響を与える“現在進行形”の存在として記憶しておくべき人物と言えるでしょう。
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