【歴史】フェンタニルって何?ゾンビ動画で話題|拡散の背景を解説!

アイキャッチ画像-フェンタニル 歴史

引用:https://news.ntv.co.jp/category/international/f3f65fda5d5a4e88b5ed5bd073b58f51/image?p=2

最近、X(旧Twitter)などのSNS上で「ゾンビのようにふらふらと歩く人々」の動画が話題になっています。

中には「フェンタニルが原因」との投稿もあり、

「そもそもフェンタニルって何?」

「どうしてこんな薬が使われているの?」

と疑問に思った人も多いのではないでしょうか。

本記事では、フェンタニルの誕生から現在の社会問題化に至るまでの歴史をわかりやすく解説します。

目次

フェンタニルとは?どんな薬?

https://www.kegg.jp/entry/D01399+-ja

フェンタニルは、医療用に開発された合成オピオイド系鎮痛剤です。

がん性疼痛や手術時の麻酔として使用されてきた、非常に強力な鎮痛薬です。

モルヒネの80~100倍、ヘロインの50倍以上の効力を持つとされています。

もともとは医師が処方する合法な薬ですが、その強力さと依存性から違法薬物としての乱用が深刻な問題となっています。

フェンタニルの誕生と歴史

▷ 1959年:ベルギーで誕生

フェンタニルは1959年、ベルギーの薬学者ポール・ヤンセンによって初めて合成されました。

当時使われていたペチジンに代わる、より強力で速効性のある鎮痛薬として開発されたのが始まりです。

▷ 1968年:アメリカで医療用承認

米国では1968年に「Sublimaze」という商品名で麻酔補助薬として承認。以降、集中治療や手術時に欠かせない薬として広まりました。

▷ 1972年:日本でも医療使用開始

日本では1972年に三共(現・第一三共)から「フェンタネスト」として注射剤が登場。

以降、がんや手術時の痛みを和らげる薬として医療の現場で利用されてきました。

フェンタニルの進化と普及

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241030/k10014624041000.html

その後、フェンタニルはさまざまな形で改良され、患者の負担を軽減する形に進化していきます。

  • 1990年代:経皮吸収型パッチ(Duragesic)開発
  • 1998年以降:トローチ、点鼻薬、口腔内フィルムなど多様な剤形が登場
  • 2015年:世界で1,600kg以上が医療用に使用されるほど拡大

また、WHOの必須医薬品リストにも掲載され、医療の現場で広く使われている実績があります。

なぜ問題視されているのか?

近年、フェンタニルは医療現場ではなく、違法薬物としての利用が爆発的に増加しています。

▷ アメリカでの深刻な乱用

特にアメリカでは、2015年ごろからメキシコの麻薬カルテルが密造したフェンタニルが国内に流入。

知らずに摂取した若者の死亡例も多発し、2023年にはフェンタニル関連の死者が年間7万3000人超と報じられました。

▷ 「ゾンビ化」映像が話題に

Xでは、体の自由がきかず意識も朦朧とした状態で歩く「ゾンビ化」と呼ばれる映像が拡散され、フェンタニルの恐ろしさが一般にも認識されつつあります。

国際問題としてのフェンタニル

  • フェンタニルの原料は中国から供給
  • メキシコで製造され、アメリカへ密輸
  • アメリカ政府は中国に規制強化を要請し、外交問題に発展

2024年には、中国がフェンタニルの原料となる「前駆物質」の一部を新たに規制対象に加える措置を取りました。

これは、アメリカとの外交的な対話の成果とも言われています。

日本への影響は?

現在、日本ではフェンタニルは厳格な管理下で医療用に使われており、乱用の報告は少数です。

しかし、世界的な流通状況を受けて、警察や厚労省が対策を強化しつつあります。

SNSでの情報拡散もあり、若年層への啓発や教育が今後さらに求められるでしょう。

まとめ|フェンタニルの“光と闇”

  • 医療用としては非常に重要な鎮痛薬
  • 1959年に開発され、長年にわたり医療を支えてきた
  • しかし、違法流通や乱用により“史上最悪の麻薬”と呼ばれる存在に
  • 国際規制・外交・SNSでの情報拡散を含む、社会全体の対応が求められている

出典・参考文献

免責事項

本記事は、フェンタニルに関する歴史的・社会的背景の情報提供を目的とした内容です。
医薬品の使用、診断、治療などに関する医学的助言を行うものではありません。
健康に関する判断は、必ず医師や公的機関などの専門家にご相談ください。

また、本記事で取り上げた内容は、違法行為を助長・推奨する意図は一切ありません。

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